李明博大統領は11日、2泊3日の中国訪問を終えて帰国した。韓中国交樹立20周年を迎え、国賓として訪中した李大統領は、胡錦濤国家主席、温家宝首相、呉邦国・全人代常務委員長らと会談し、両国間の貿易・投資、人的・文化交流の拡大策、韓半島情勢、国際舞台での協力など約80項目について協議した。一連の会談で、中国側が最も力を入れたのが韓国とのFTA(自由貿易協定)締結。韓国側もこれに応じ、交渉開始に必要な手続きに入ることで合意した。早ければ3月にも政府間交渉開始を宣言する見通しだ。
李大統領と胡主席は9日、北京の人民大会堂で首脳会談を開き、韓中FTAの交渉開始に合意した。胡主席が「速やかに交渉開始を宣言したい」と促し、李大統領は「交渉開始のため国内手続きに入る」と応じた。
韓中FTA交渉開始のため必要な韓国の国内手続きは、公聴会計画の官報掲載→公聴会開催→対外経済閣僚級会議の審議・議決などだ。このような手続きを経て、通商交渉代表が交渉チームを組織、中国側パートナーと交渉のテーブルにつくことができる。これには1カ月以上かかり、交渉宣言は3月になる公算が高い。だが、農産物など敏感な品目に対する反発が予想され、遅れる可能性もある。
両首脳は、金正日総書記の死去後の韓半島情勢についても突っ込んで話し合い、非核化と平和・安定に対する共同目標を確認した。胡主席は特に、南北関係の改善に努力すると強調した。中国漁船船長による海洋警察官殺傷事件については、今後漁業問題によるトラブルが再発しないよう努力することで一致した。
両首脳はまた、韓中国交樹立20周年を迎え、両国国民間の交流拡大が重要であるとの認識で一致し、青少年交流をはじめ人的・文化交流を拡大させていくことで合意した。
李大統領は翌10日には温家宝首相と会談、「急速な発展を続けた韓中間の経済協力が今後も強化されることを望む」と述べた。温首相はこれに対し、「韓中間の経済協力は重要」と述べ、胡主席と同様に韓中FTAの必要性を力説した。
李大統領は同日、北京の釣魚台迎賓館で開かれた韓中経済人昼食懇談会に出席し、「両国は2012年までに貿易規模2000億㌦達成という目標を早期に実現し、国交樹立後20年間、経済、社会、文化などすべての方面で驚異の発展を遂げた。15年までに両国間の貿易規模を3000億㌦に拡大するのも難なく実現できるだろう」と述べた。昨年の韓中貿易は2200億㌦を超えた。
今回の訪中を締めくくる「韓中共同メディア向け発表文」で、韓国は「一つの中国」を、中国は「韓半島の平和統一」を支持すると発表した。中国側は「韓半島の南北双方の対話と交渉を通じ、関係を改善し、和解と協力を進め、最終的に韓半島の平和統一を実現することを支持する」と再確認した。