輸出戦線が異常だ。今年1月に2桁の伸びを示し、好スタートをきった輸出は、2月には8%以上急減した。旧正月連休で操業日数が減ったことも影響しているが、世界景気の低迷にウォン高も加わった、輸出環境の悪化が背景にある。先行き楽観視できない状況になってきた。
知識経済部が発表した2月の輸出入動向によると、輸出は前年同月比8・6%減の423億2700万㌦、輸入は10・7%減の402億6600億㌦で、輸出入とも大幅な減少となった。貿易収支は20億6100万㌦の黒字を記録。13カ月連続の黒字となった。
昨年の旧正月は1月だったが、今年は2月にずれ込み、昨年2月に比べ操業日数は2・5日少なかった。その結果輸出が減少したというのが政府の説明だ。1~2月の輸出実績は880億700万㌦で、前年同月比0・6%増となる。
だが、このような増加率は、政府の今年の輸出増加率目標(4・3%)を大きく下回る。明らかに輸出が低迷していることを物語る。
2月の輸出実績をみると、品目別の明暗がはっきり表れている。13の主力品目中、8品目で輸出が減少した。特に船舶は40・3%の大幅ダウンだ。快走を続けていた自動車もついに15・1%減少。鉄鋼もまた10・5%減った。船舶は2~3年前に受注した低価格船舶の引渡しによるもので、事前に予想されていた。
だが、これとは違い、自動車と鉄鋼は、円安・ウォン高の影響で価格競争力が低下した結果ではないかという分析が出ている。昨年品目別輸出1位の石油製品輸出も2・2%減少した。このような相次ぐマイナスについて、知識経済部関係者は「円安効果は本格的に出るのは2、3カ月かかる。現在はまだ円安効果の影響は大きくない」と語った。今後さらに厳しくなるということだ。
一方、無線通信機器、液晶デバイス、半導体などIT(情報技術)関連の輸出は伸びている。スマートフォン(高機能携帯電話)など無線通信機器輸出は、10・2%の2桁の伸びを実現した。半導体輸出も0・4%増加。
地域別では、ASEAN(東南アジア諸国連合)向けを除き、日本、中国、米国、EU(欧州連合)など主要市場に対する輸出が軒並み減少した。特に、日本15・9%、EU18・0%と減少幅が大きい。一貫して伸び続けていた対中輸出も2・0%減少した。
一方、輸入は原資材、資本財とも減少、2011年3月以降最も少なかった。資本財は、メモリー半導体及び自動車部品の輸入減少で15・5%の大幅減となった。
企画財政部関係者は、「このような輸入減少は、企業が投資に消極的になっているからだ。設備投資が振るわないのはそれを裏付けているが、将来の生産設備拡充にとって不安だ」と語った。