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2013/02/01

<総合>韓国・人工衛星打ち上げ成功

  • 韓国・人工衛星打ち上げ成功

                 打ち上げに成功した羅老号

 韓国初の人工衛星搭載ロケット「羅老号」(KSLV―1)が30日、全羅(チョンラ)南道・高興(コフン)の羅老宇宙センターから打ち上げられ、予定通り目標の軌道に投入された。過去2度の失敗を経て、3度目の挑戦で打ち上げに成功した。これで韓国は自国で開発したロケットを自国で打ち上げ、衛星の軌道投入に成功した11番目の国になった。今回の成功を受け、宇宙開発が本格化する見通しだ。

 「衛星の信号をキャッチしました。RF(周波数)信号は健在です」

 31日午前3時28分、大田にあるKAIST(韓国科学技術院)人工衛星研究センター地上局で歓声が上がった。地上局は午前3時43分までの14分58秒間、羅老号に搭載した科学衛星との交信に初めて成功した。同5時11分にも2回目の交信を行った。

 羅老号は30日午後4時に打ち上げられ、54秒後に音速を突破。232秒後に1段ロケットが分離し、上段の2段ロケットに点火。540秒(9分)後に衛星が分離し、軌道に投入された。軌道上から2度の交信が行われ、打ち上げ成功が最終的に確認された。

 羅老号は、全長33㍍、直径2・9㍍、重量142㌧の二段式。宇宙での放射線量などを測定する重さ100㌔の小型科学衛星を搭載している。衛星は今後1年間、目標軌道(高度300~1500㌔)で地球を1日14回まわり、宇宙放射線とイオン層を測定する。

 羅老号の開発は2002年に着手したが、09年と10年の2回にわたり打ち上げに失敗。今回は2度の打ち上げ中止を経て3回目の挑戦で成功となった。ロケット1段目を製作したロシア側との契約条件上、今回の打ち上げが最後の機会だった。羅老号の開発事業には今回を含め総額5200億ウォンの予算が投じられた。

 教育科学技術部の関係者は「今回の人工衛星打ち上げの成功を契機に、発射体、衛星、宇宙探査など宇宙開発全般に対する投資を拡大していく」と語った。

 李周浩(イ・ジュホ)・教育科学技術部長官は、羅老宇宙センターでの会見で「羅老号の打ち上げが成功し、衛星の目標軌道への投入が確認された」と公式発表した。李長官は「今回の打ち上げ成功で宇宙強国という目標に向け一段階飛躍した」と評価。「韓国製の発射体を独自開発し、2020年に韓国の技術で宇宙に行けるように努力する」と語った。

 テレビで打ち上げを見守っていた李明博大統領は、「新たな宇宙時代を切り開いたことを国民と共に祝いたい」と強調した。また、朴槿惠・次期大統領は「宇宙強国入りに向け、第一歩を踏み出した」と語った。