韓国が主導して設立した国際機関、GGGI(グローバルグリーン成長研究所)と韓国政府が共催し、「第3回グローバルグリーン成長サミット」が10日から2日間、仁川(インチョン)の新都市・松島(ソンド)で開かれた。今回のテーマは「グリーン成長の未来」。グリーン成長転換のための技術開発と政策革新について協議した。特に、エネルギー、水資源と食糧安保のための資金調達政策、化石燃料補助金を再生エネルギー分野に転換する事案をめぐり論議が活発化した。
GGGIは2010年6月に韓国が主導してソウルに設立した国際機関。グリーン成長の研究を目的とする。11年6月にOECD(経済協力開発機構)と共同で第1回グローバルグリーン成長サミットを開催。3回目の今回はデンマーク、カンボジア、モンゴル、メキシコ、コスタリカなどの経済・開発・環境関連長官をはじめ各国の政府、学界、経済界、市民団体など環境分野の専門家らが参加した。
ラース・ロッケ・ラスムセンGGGI議長(元デンマーク首相)は、「グローバルグリーン成長サミットは新たなアイデアを模索し、グリーン政策が改善される対策を模索する場である」とし、「今後、GGGIがグリーン成長を広げるのに先進国と途上国の懸け橋の役割を果たすことを望む」と強調した。
また、基調報告を行った今サミット議長のバラット・ジャグデオ前ガイアナ大統領は、「先進国が地球温暖化による気候災害を防ぐため二酸化炭素排出量を減らすと宣言したが、経済危機を口実に削減に消極的だ。グローバルグリーン成長研究所と国連グリーン気候基金は二酸化炭素排出削減のため具体的内容を持ったグローバル協約を結ぶよう努力している」と強調した。
IEA(国際エネルギー機関)によると、昨年に世界で排出された二酸化炭素の量は前年比1・4%増の316億㌧を記録し、過去最高となった。マリア・ファン・デル・フーフェンIEA事務局長は「気候変動への対応問題が各国の政策的優先順位から後退している。この問題は深刻になっている」と警告している。
玄旿錫(ヒョン・オソク)・経済副総理兼企画財政部長官はラスムセン議長との懇談で「安定的で成功的な気候変動財源の確保のためには、民間の財源参加が必須だ。このためには公共部門の触媒の役割と創意的な金融手段の開発が必要だ」と述べ、「途上国のグリーン成長のため、GGGIを積極的に支援したい」と強調した。ちなみに、GGGIでは、民間部門で1000億ウォンの基金を造成する計画を進めている。
今サミットは、GGGIが昨年10月に国際機構として承認されて初めて開催されただけに意味が大きい。
デンマークやオーストラリア、UAE(アラブ首長国連邦)などGGGIのメンバー7カ国が、昨年ブラジルで開かれた環境開発会議「リオ+20」で、GGGIを国際機関へと転換させる協定署名式を行い、韓国が主導する初の国際機関が誕生した。青瓦台(大統領府)関係者は「民間機関として発足したGGGIが、わずか2年で国際機関となったのは、世界の外交史でも未曾有の早いスピードだ」と評した。
GGGI参加の7カ国は今後3年間、毎年500万㌦ずつを拠出することを決めた。政府は、参加国数を20カ国に増やす計画だ。世界銀行やアジア開発銀行(ADB)、国連環境計画(UNEP)などの国際機関も参加する。韓昇洙(ハン・スンス)・元国務総理が初代理事長を務め、今のラスムセン理事長は2代目だ。