未開のフロンティアであるミャンマーとの経済協力が具体化した。「第1回韓国・ミャンマー経済協力共同委員会」が19日、ミャンマーの首都ネピドーで開かれ、ヤンゴン川以南の都市開発、新空港(ハンターワディー国際空港)建設、韓国型産業団地建設、大規模サトウキビプラント建設などについて協議した。特に、ミャンマーが強い関心を寄せている「セマウル運動」を伝えたいと提案した。
今回の初会議に、韓国は玄旿錫(ヒョン・オソク)・経済副総理兼企画財政部長官を首席代表とし、安全行政部、産業通商資源部など15の関係部署の室長・局長級以上の高官で構成された政府代表団を送り込んだ。ミャンマー側はカン・ゾー国家計画経済開発大臣らが対応した。
この共同委員会はミャンマー政府が経済で外国政府と開く初めての国レベルの定例協議体で、今後両国の協力事案を総括・調整する司令塔の役割を担うことになる。
会議では、送金および外貨両替に関する保障、リスク管理支援などの方策をまとめた投資保証協定の締結について協議。ヤンゴン川に「友情の橋」を韓国の技術と資本で建設することに合意した。
ミャンマーのテイン・セイン大統領は韓国の1970年代の経済成長をモデルにして経済開発計画を樹立するため、KDI(韓国開発研究院)を手本にしたミャンマー開発研究院の設立を推進中だが、これにも積極的に協力することになった。
さらに、韓国側はミャンマーの新国際空港建設の入札に参加している仁川国際空港公社の優秀性をアピール。大規模サトウキビプラントは、CJ第一製糖を中心に推進する。ミャンマーが外国人投資法を改正し、最長70年間土地を借りられるよう変更したのが大きい。
玄経済副総理は「東南アジア最後の成長株であるミャンマーで韓国式の開発モデルが採択されるよう、基盤を築いていく」と述べ、ミャンマー市場進出への意欲を強調した。
玄経済副総理はまた、70年代の農村改革運動「セマウル運動」モデルをさらに改善した「新概念のセマウル運動」モデルをミャンマーに伝授すると強調した。具体的には、道路や電力網などの整備と農道や住宅の改良事業を並行して環境を改善し、現地事情に見合った農業・工業・文化施設を一緒に供給することで、早期に目に見える成果を出すというものだ。
都市開発にも弾みがつきそうだ。ミャンマー最大都市で経済中心地のヤンゴンで、韓国政府がミャンマー政府とともにヤンゴン川以南の開発に乗り出すことになった。
旧首都ヤンゴンは急激な都市化に伴い交通渋滞や住宅難などが発生している。ミャンマー政府はこれを解消するため、ヤンゴン市内を流れるヤンゴン川の南側の大規模開発事業を準備している。
韓国政府関係者は20日、「ヤンゴン川の南西部地域に対する開発マスタープランを韓国政府が支援し、開発事業への韓国企業の参加に向け協力しようと提案した。ミャンマー政府から前向きな返答を得た」と明らかにした。
韓国政府はこの開発マスタープランを、70年代のソウル・江南(カンナム)の開発事業に重ねて見ている。当時のソウルは、市内を流れる漢江の北側の鍾路(チョンロ)区と中区を中心に過密化していた。政府は田畑だった漢江の南を住宅・業務用地として開発、行政区画を整備し、大きく発展させた。同じようにヤンゴン川の南西部を経済活動の要衝にする構想だ。ミャンマーには韓国企業の進出が活発化しており、韓国ロッテリアが4月下旬に1号店をオープンした。
人口6000万人のミャンマーは、メコン地域最大の国。低賃金かつ優秀な労働力を持つことから、かねてから投資国として非常に魅力があり、海外の多くの企業がビジネスチャンス獲得に動きだしている。韓国は今回の共同委員会開催を機にその先陣を切るものとして注目される。