ポスコが独自開発したファイネックス製鉄工法が中国に初輸出される。韓中合弁で中国の内陸都市・重慶に建設する一貫製鉄所にこの最新工法を適用するもので、近く中国政府の事業承認を得て着工する見通しだ。今回のファイネックス製鉄所への投資規模は35億㌦。ベトナム、タイなどの東南アジアやインド、中東地域からも導入依頼が相次いでいる。
ポスコは、中国国営の重慶鋼鉄と合意した投資計画に基づき合弁会社を設立して準備を進めてきた。業内容は、150万㌧規模のファイネックス製鉄所2基建設に25億㌦投資するというもので、特に最先端の一体型鋼板製造工程(CEM)技術も導入する。このCEMは、溶鉱炉から出てくる溶けた鉄をすぐに圧延し、圧延コイルまで連続的に生産できる工程技術だ。また、8億㌦規模の冷延メッキ工場も建設する。
ファイネックス工法は粉末状の鉄鉱石と有煙炭で良質な鉄を生産できる新技術だ。しかも、これまでの溶鉱炉工法に比べ、従来の高炉のように大気に露出した状態で、鉄鉱石や有煙炭の粉を凝固させる必要がなく、コストが20%以上削減でき、硫黄酸化物や窒素酸化物などの汚染物質の発生量が高炉の1~3%にすぎない。このため、製鉄装備の老朽化が深刻で、取り替え需要の多い中国は、ファイネックス投資誘致に特別な関心を示してきた。特に、中国内陸部は安価な粉末状の鉄鉱石が多く産出されるだけに、重慶でファイネックス製鉄所を建設する意味は大きい。
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