韓国で脱原発宣言から1年が経った。この間に老朽原発2基の廃炉が決まり、新規原発4基の建設が白紙化された。国民の8割以上が政府の脱原発政策を支持している。だが、課題が多いのも事実だ。韓国電力は、原発稼働率が50%台に低下した影響もあり、大幅な赤字を計上。電気料金の引き上げ圧力が強まっている。太陽光や風力など再生エネルギーが主力発電源になるにはまだ時間がかかる。また、原発輸出との整合性問題も提起されている。
文在寅大統領は昨年6月19日、国内最古の原子力発電所である古里1号機の永久停止宣布式で「原発中心の発電政策を止め、脱原発時代に向かう」と宣言した。これにより、老朽原発の寿命延長禁止、新規原発建設の白紙化を基本とする脱原発政策を推進してきた。
それから1年。政府が昨年10月に発表した脱原発ロードマップによると、韓国にある24基の原発は2022年に一時的に28基に増えるが、38年には14基に減る。設計寿命30~40年に到達した原発寿命を延長せず、新規原発を建設しないからだ。最後の原発となる新古里5・6号機が寿命を迎える82年には原発は全廃となる。代わって、再生エネルギー比率を現在の7%から30年までに20%に高めるというのが政府の計画だ。
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