都市の再開発が進む韓国だが、中でも注目したいのが、2002年ワールド・カップ(W杯)開催地の済州道と釜山だ。
サッカー人気の韓国にあって済州道は、プロも実業団もない「サッカー不毛の地」である。W杯の競技開催地としても、当初は「無謀」との批判が強かった。
しかし、済州道をアジアの中心都市に育てようとの思惑から、開催10都市の一つに決定した。
スタジアムは西帰浦で建設が進められており、先の話だが、大会後には競技場や宿泊施設を世界のプロスポーツのキャンプ地として利用する計画だ。
また同地一帯を再開発して海洋テーマパークやショッピングタウン建設、さらに済州道全体を自由貿易地帯にするという、一大プロジェクトが考えられている。
一方の釜山市はW杯だけでなく、その3カ月後に2002アジア競技大会も開かれる。
先日の南北頂上会談の成功で、北朝鮮選手の参加・単一チーム結成、聖火の白頭山から釜山へのリレーなどが実現すれば、同大会が南北交流と和解の頂点になるかも知れない。
そのため2002年までに都市のインフラ整備を完成させ、アジア大会以後は釜山を対北貿易の中心地にしようと、市では考えている。
この両都市だけでなく、仁川は国際空港の開港によるアジアのハブ空港として、光州は文化・芸術の都市として、蔚山は韓国有数の産業都市として、それぞれ世界へアピールするチャンスだ。
何しろ期間中に、世界中約400億人がテレビ視聴するからだ。
失敗すれば負債の山だが、成功すれば韓国の1都市からソウルに負けない国際都市へ跳躍することが出来る。さらなる発展へ向け競い合い、飛躍への道を歩んでほしい。(L)