今年もあと2週間余りとなったが、振り返ってみると今年ほど韓国が注目を集めた年はなかったのではないか。特に、若者たちの間では、料理や映画、音楽、ファッションなどで「韓国ブーム」といっていい現象が巻き起こった。
30、40歳代を読者層とする「日経トレンディ」(12月号)が選定する「2000年ヒット商品ベスト30」でも、このブームを反映、韓国そのものが21位にランクされていた。120万人を動員した映画「シュリ」はビデオでも20万本を売る大ヒットとなった。日清食品が今年2月発売した「とんがらし麺」は、韓国唐辛子を使用した激辛味が受けて、600万食でヒットといわれる中、1億食近く販売した。
来年には、韓国で人気の「ダッカルビ」(鶏のカルビ)が18位、1週間で品揃えが変わる渋谷にオープンした「東大門市場」の「短サイクルファッション」が17位につけると予想している。ますます広がりを見せそうだ。
過去最大の韓国旅行ブームも起こった。今年の訪韓客は250万人に迫る勢いで、もう東京|ソウル便はパンク状態。日本航空は来年1月から増便を決めたが、増便だけでは対応できないほど行き来が頻繁だ。韓国政府は羽田空港と金浦空港間のシャトル便運航を強く求めているが、日本政府の動きはやや鈍い。何度も予約ができなかった経験があるベンチャー企業関係者は、「日本は外圧をかけないと動かないので、もっと圧力をかけてほしい」とまで言った。
新世紀を目前に控え、何かが動き始めたという感じだ。特にいまの現象は庶民レベルの韓国ブームであり、「大交流時代」の幕開けを予感させる。インフラ整備など対応に遅れがあってはならないだろう。(S)