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2000/09/08

<鳳仙花>◆五輪の南北スター選手◆

「五輪の南北スター選手」
 20世紀最後のオリンピックとなる「第27回夏期オリンピック競技大会」が15日、オーストラリアのシドニーで幕を空ける。
 韓国からは284人、北朝鮮からは32人、南北合わせて316人の選手が出場するが、中でも注目されるのが、アトランタ五輪の二人のスター、韓国男子マラソンの李鳳柱と北朝鮮女子柔道のケ・スニだ。
 南アフリカのチュグワネと激しい接戦を演じ、わずか3秒差で銀メダルとなった李は、「今度こそ金メダル」と熱意を燃やしている。
 今年2月の東京国際マラソンでは、相手選手に食らいつく粘りのマラソンを見せ、アトランタ記録を5分上回る2時間7分20秒の記録を出して、2位に入った。
シドニーでは、2時間6分台での金メダルを目指している。
 日本の田村亮子を破って金メダルを獲得し、世界を驚かせたケ・スニは今回、1階級上の52㌔級に出場する。
 前回の優勝は、食糧危機に苦しむ北朝鮮国民のみならず、韓国民や海外同胞社会にも大きな勇気を与えた。
 一回り大きくなった体を生かして、持ち前のパワー柔道が再び炸裂するのか、南北とも期待が大きい。
 この両選手とも特徴的なのは、技術はもちろんのこと、その激しい闘志と粘りである。
 五輪は良かれ悪しかれ、ナショナリズムの象徴といわれる。大国にとっては世界に強さを示すチャンスであり、小国にとっては国民に勇気を与えるチャンスになる。
 李鳳柱もケ・スニも、アトランタ五輪では国家的英雄として迎えられた。今回はどんな頑張りをみせるのか、大いに楽しみだ。
 そしてもう一つ、開会式での南北選手団の同時入場行進も楽しみだ。南北の和解を世界に示す大きなチャンスであり、両選手団とも毅然と入場してもらいたい。
 そして、このような積み重ねを経て、次回の五輪では南北統一チームを結成してほしいものだ。(L)