韓国ベンチャーをじかに触れる機会があった。22日から3日間東京ビッグサイトで開かれた第2回韓日文化産業投資説明会「ネットコミュニケーション2000-n Korea&Japan」に韓国ベンチャー企業60社が出展していたが、ともかく興味を引く斬新な技術が多かった(具体例は5面参照)。
一例だけあげると、インターネットアニメ。日本では通信速度が遅い関係であまり普及していないが、韓国では若者たちの大人気だ。ネット上でアニメが放映されるだけでなく、アニメの主人公と対話し影響を及ぼすことも可能だ。
画像が鮮明で動きがスピーディーなのがいい。隣で見ていたその道のオタクらしき日本の若者が、「通信料金が高い上、通信速度もアニメを見られるほど早くない」とうらやましがっていた。通信インフラは韓国がはるかに先進国であることをかい間みせた瞬間だった。
数社の話を聞いてみたが、昨年設立したできたてほやほやのベンチャーが多い。だが、技術には自信をもっているようで、「日本市場で絶対成功するんだ」というパワーと覇気すら感じられた。これからの展開が楽しみだ。
韓国はいま史上空前の創業ブームにあり、優良企業を辞めて起業する人が続出、人材流出に悩む財閥企業も少なくない。だが、ベンチャー企業は確実に力をつけており、輸出も年間20億㌦を超す実績をあげるなど、IMF危機を脱する一翼を担ったと評価されている。
こうした自信が日本進出を本格化させている面もある。とにかく思いついたら突っ走る性格は、現在のスピード時代に合っているのかもしれない。特に、ネット関連以外にも、映画の韓日合作が相次ぐなど、アニメ、音楽、ゲームなど文化産業の提携も増え始めている。何やら、新たな分野での韓日協力が続々実現しそうだ。
アイデアと技術さえあれば成功のチャンスがあり、大きな可能性を秘めた時代の到来を予感させる。韓国ベンチャーの活躍に期待したい。(S)