「日本に失望したわ」。ソウルでの街頭インタビューで韓国の女の子は顔を曇らせた。
韓国の文化放送(MBC)と日本のフジテレビがこのほど、両国の20代の若者1314人(男663人、女651人)を対象に意識調査を行い、これをもとに共同番組を制作、今月13日にそれぞれの国で放映した。
「国家経済が危機に直面したとき、私財を投げ打ちますか」という質問に、韓国はイエスと答えた人が56・4%だったのに対し、日本はわずか3・6%。「他国が攻めてきたら戦うか」との問いにも、韓国のイエス82%に対し、日本は35・3%と低い。これに対する冒頭の女性の反応が、日本に対する「失望」だった。これは分断状態におかれた韓国と、太平の世が続く日本との現状の違いによるものだろうか。
一方、日本大衆文化の開放、サッカーのW杯共催など韓日新時代を迎え、韓国の若者は日本に強い関心を示し、日本語や日本文化を学ぼうと努力している。これに対し、日本の若者は無関心というのが多い。「相手国のイメージ」調査で、韓国が「経済大国」「電子製品」「性的開放」などを挙げているのに対し、日本の若者の答は「キムチ」「のり」「カルビ」が圧倒的だ。相手国に対する最大の関心事が、韓国は「文化・芸能」(27%)なのに、日本は「韓国料理」(28・5%)である。
このような調査結果をみると、韓国と日本の若者の考え方や意識は非常に対照的だ。21世紀は、いまの若者たちが韓日交流の主役にならなければならないが、これで大丈夫なのかと少し不安になる。双方の歴史認識の違いなども気にかかる。しかし、こういう懸念は交流を重ねていけばクリアできる問題だろう。
番組の中でも、韓国の若者が「日本人は韓国に興味を持とうとしない。同じ文化を共有しているのだから、もっと交流しよう」と呼びかけていた。まずは、相手をよく知ることだ。とくに日本の若者に、韓国を訪れ、同世代とふれあうことを強く望みたい。(A)