「南北和解の時代なのだから、8月15日の民族解放記念日の集会を、民団と総連で共に行ってはどうか」
朝鮮総連系同胞の故郷訪問団が認められたのを受けて、徐萬述・朝鮮総連第1副議長が総連中央本部で記者会見した席で、韓国有力紙の記者が行った質問だ。
徐議長の答は、「まだ民団との共同行事段階に達してはいない。民団から申し入れはなく、こちらからも特に考えてはいない」だった。南北の最高責任者が握手をする時代に、在日の組織は動きが鈍いなと、当の記者は納得いかない表情だった。
南北頂上会談の実現から2カ月になろうとしている。民団と総連は8・15記念式を共同主催すら出来ないのは恥ずかしい限りだ。
民団と総連の対立が続く間に、3、4世の組織離れは急速に進んだ。
「頭の古い人たちを入れ替えるぐらいのことをしないと、在日組織は21世紀についていけないのでは。もう少し魅力ある組織を作ってほしい」との声が、在日の若い世代からは出ている。
韓国マスコミの一人も、「在日はみな力を合わせて、いまだ残る差別に立ち向かい、在日自身のために活動する時代が来たのではないか。不毛な対立や、国への忠誠は終わらせるべきだと思う」と強調した。当然の意見だろう。
いまからでも民団と総連のトップ会談をやってほしい。そして民族教育、高齢者問題、信用組合、組織の在り方など、多くの問題について話し合いを重ねてほしいものだ。
参政権問題での対立はあるが、それも乗り越えられない問題ではないはずだ。在日3、4世の若者に21世紀を託すため、早急に決断をしてほしい。