教科書問題が影を落としはしたが、今年の韓日交流は劇的に進んだとみていいのではないか。日本のメディアの中にもそういう見方がある。
例えば、「クラシックこの1年」と題する毎日新聞の回顧で、韓国の創作オペラ「黄真伊」の東京公演や韓日両国の童謡を互いの音楽教科書に掲載する計画が具体化していることなどに触れ、「歴史教科書問題で日韓関係が冷え込んだのは事実だが、それによって完全に壊れてしまわない強さが音楽面の交流に生まれている」と指摘している。
これは映画ではもっとはっきりしている。先日、国際交流基金主催で韓国映画「猟奇的な彼女」を上映したところ、映写室に若い男女500人以上が殺到、多くの立見席ができる熱気ぶりだった。映画配給会社「パンドラ」の中野理恵社長は、「フルメックスで上映された、<差出人不明>は今まで見た映画の中で最高作のひとつだ。そのテーマ性、力強さはどの国もかなわない」と教えてくれた。
もう日本の若者の間では気軽に韓国にいける気分になっているようだ。20歳以下の若者に対する最近のアンケート結果では、韓日両国とも45%以上が相手国のことを好ましく身近に思っている。鄭夢準・W杯韓国側組織委員長は、「こうした劇的変化は昔では信じられないことだ。これも共同開催の実現が大きく作用しているのではないか」と歓迎した。確かに、何かが大きく動き始めたようだ。
来年は「韓日交流年」に設定されているが、すでに政府関連だけで1000ほどの計画があるという。自治体や草の根を含めると、これの何倍にもなるだろう。
人々が行き来し知り合うことは友好を深めるチャンスだけに、大変楽しみだ。(S)