金剛山観光事業が始まって3年が過ぎた。記念すべき第1便がスタートしたのは98年11月18日。北朝鮮に故郷がある人たち約900人が乗船し、南北交流への期待を担っての船出であった。
それから3年、これまで約42万人の韓国人が金剛山を訪れ、その景観を楽しんできた。この金剛山の自然美に魅せられ、3年間通いつめた韓国人写真家がいる。ソウル在住の李正洙さん(56)だ。
李さんは北朝鮮当局と粘り強い交渉を重ね、ついに一般観光客が入れないところまでも撮影する許可を得た。
この3年間に30回金剛山を訪れ、何と200のコースを歩いて撮影した。昨年10月には、その成果をまとめた「美しい金剛山の四季」という写真集を出版し、話題を集めている。
今月20日、韓国観光公社主催の金剛山視察旅行に招かれて金剛山を訪問した折、ちょうど「金剛山観光3周年記念・李正洙写真展」を開催していて、本人にお会いすることが出来た。
「あの奇岩が織り成す景観を記録したかった。分断半世紀を経てやっと見ることが出来るようになった金剛山を紹介することで、統一に貢献したいとの思い」だったという。
また、「金剛山はこれまで、北朝鮮発行の金剛山写真集や特別許可を得た日本人カメラマンの久保田博二さんの写真集などがあるが、自分の手でいつか撮影したかった。金剛山は四季それぞれに美しい。紅葉の季節や雪が積もった金剛山もいいが、やはり花の咲き始める春、緑豊かな夏がもっとも美しい」と語ってくれた。
金剛山観光は昨年から、在日韓国人や日本人にも開放されている。百聞は一見にしかずというが、ぜひ体験してほしい。(L)