仁川国際空港の第1期工事が完工し、今月29日にいよいよ開港する。これによって韓国は、上海、シンガポールなどと並んで、アジアの重要なハブ空港の役割を担い、国際的な航空需要を満たすことになる。
第1期では、空港敷地約1390万平方㍍に、3750㍍の滑走路2本と管制塔、ターミナルビル、運営施設など120棟もの施設が建設された。2期工事が完了し、すべての施設が整う2020年には、4本の滑走路や第2ターミナルが備えられる。しかも、騒音公害の心配がまったくなく、24時間運営できる夢の空港だ。
当初は、年間運航回数17万回、旅客処理能力2700万人でスタートするが、最終的には運航53万回、1億人の旅客処理能力を備え、世界でもトップクラスの空港となる。
日本にとっても、仁川国際空港の開港は、大きな意義を
持つ。成田空港は滑走路が1本しかなく、離着陸は飽和状態で、年間運航回数はわずか13万5000回。旅客処理能力も限界に達している。来年5月に2本目の「暫定滑走路」が完成するが、距離が2180㍍と短く、国際線では韓国、中国などの近隣アジア諸国が中心となる。
こういった不自由な日本の航空事情を解決するのに、仁川国際空港はもってこいの位置にある。人口100万人以上のアジアの43都市を飛行時間3・5時間以内で結ぶことができ、日本なら2時間余りで主要都市と往来できる。アクセスには最高の条件を備えているといえるだろう。これを活用し、九州や北陸から仁川経由で欧米向けに国際線を飛ばせば、航空事情が大幅に好転すると思う。
仁川は、日本の航空需要を補完できるだけの十分な処理能力をもっており、韓日間の航空協力が進めば、人だけでなくモノの交流も進展し、経済効果も高まるのではないか。仁川国際空港への期待は大きい。(A)