女子ゴルフの朴セリ、大リーグ・ドジャースの朴賛浩らに次いで、韓国にまた「英雄」が誕生した。韓国ファンの間では、下手投げで急浮上する球筋から「核潜水艦」と異名をとるアリゾナ・ダイヤモンドバックス(ナショナルリーグ西地区)のストッパー、金炳賢投手がワールドシリーズに出場する。韓国人としてはもちろん初めてで、東洋人としても夢の舞台に立つ最初の栄冠を手にした。この偉業に拍手を送りたい。
金炳賢の今期の成績は、78試合に登板し、5勝6敗19セーブ、防御率2・94。ポストシーズンでは4試合に登板、6回3分の1を投げ無失点に抑え、防御率0のすばらしい活躍を見せた。ワールドシリーズでも金炳賢が勝敗を左右するキーマンになるのはまちがいない。
野球の本場、米大リーグで東洋人の活躍を目にするのは、何とも痛快だ。今年15勝をマークし、ドジャースの看板投手となった朴賛浩やイチロー、佐々木、野茂らのプレーは、とかく欧米人に対しコンプレックスを抱きがちなわれわれを勇気付けてくれる。
マリナースがヤンキースに勝っていたら、ワールドシリーズで金炳賢と佐々木の韓日対決が見られたかもしれないと思うと残念だが、これは来年の夢にとっておきたい。
金炳賢は、全羅南道・光州出身で22歳。中日で活躍した宣銅烈投手や李鍾範選手と同じ光州一高から成均館大学に進んだが、98年のバンコクアジア大会でスカウトの目にとまり、99年にダイヤモンドバックス入りした。大リーガーではめずらしい下手から繰り出すくせのある直球とスライダーを武器に、ヤンキースとの王座戦でも相手打線を苦しめることだろう。メジャー最高の抑えといわれるヤンキース・リベラとの対決が見ものだ。(N)