日本の大衆文化開放に始まった韓日映画交流が本格化し、韓日合作映画の製作という新しい段階に入った。
特に日本映画界大手の松竹、東映が合作映画に乗り出していることは、映画関係者の注目を浴びている。東映、松竹とも責任者の韓国への思いが強く、それが事業に現れている。
東映の高岩社長は、高校・大学の先輩や同級生に在日韓国人がいる。大学を卒業しても在日の友人だけ就職先が見つからないのを見て、民族差別への怒りを感じたという。その後、その友人に仕事上で助けられる経験をしたこともあり、韓国には個人的関心を持ち続けてきた。
韓国人特攻隊員をテーマにした『ホタル』公開に続き、在日韓国人作家・金城一紀原作の『GO』の映画化を、韓国の映画会社とともに進めているのも、ヒットすると判断したのはもちろんだが、「映画を通じて韓日友好に寄与したい」との意向が働いている。
一方、松竹の大谷信義社長は『純愛譜』(日本未公開)に続き、『春の日は過ぎゆく』を韓国、香港の映画会社と共同で製作すると発表した。
「『シュリ』『JSA』のヒットに見られるように、活気あふれる韓国映画界と力を合わせて、新しい観客層の発掘を行いたい。韓日で力を合わせれば、ハリウッド映画に負けない作品を作れるはず」と考えている。
合作映画作りは、ほかにも数社で進行中だ。また韓国で大ヒット中の『チング(友達)』は、韓国映画輸出額史上最高の210万㌦で日本公開される見込みであるなど、映画交流は深化を続けている。
両国間は現在、教科書問題などでぎくしゃくしているが、こうした文化交流がその暗雲を払いのけることを期待したい。(L)