小泉純一郎氏(59)が圧倒的な自民党員の支持を背景に、首相に就任した。「改革」への期待に応えることができるのか、注目度は高い。
韓国のマスコミも連日大きく報道しているが、厳しい見方が多い。例えば、24日付韓国日報は1面トップ記事で扱い、「対外強硬 右傾化加速を憂慮」の大見出しで報じた。
小泉首相のこれまでの発言からすると、それもやむを得ないかなと思う。例えば、靖国神社公式参拝を公言したり、永住外国人の地方参政権付与に対しては否定的な考えを示し、集団的自衛権行使を容認している。
要するに、韓国では小泉首相が率いる政権が「右傾化」するのではないかと懸念しているわけだ。
また、キムチについて小泉首相が「大嫌いだ」と話したというエピソードが紹介されたり(もともと漬物類は嫌いらしい)、「小泉首相は韓国訪問の経験がなく『非知韓派』で、今後の韓日関係は険しい」という報道のされ方をみると、どうも小泉首相自身に対するイメージもあまりよくないようだ。
だが、このような韓国マスコミの厳しい報道ぶりは、韓日関係を壊してはならないという注文だと受け取るべきだろう。
教科書問題でいまは韓日関係はぎくしゃくしているが、日本大衆文化の開放措置や韓日共催ワールドカップなどもあって両国は良好な関係が続いていた。小泉政権が誕生したからといって、これまで築いてきた関係がただちに変化するという見方は、早計に過ぎよう。
とはいえ、韓国の憂慮の念を払拭するためにも、金大中大統領と小泉首相ができるだけ早期にトップ会談を行う必要があると思う。小泉首相も韓日関係の大切さは十分認識しているはずであり、トップ同士が意見交換して摩擦を解消してほしい。(T)