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2001/04/13

<鳳仙花>◆韓日野菜戦争◆

 日本政府が、中国産のネギ、生シイタケ、畳表(イグサ)の3品目について暫定的セーフガード(緊急輸入制限措置)をとることを決めた。

 数年前から輸入が急増している韓国産野菜についても、農家から対策を求める声が高まっており、韓国産へのセーフガード発動も懸念されている。

 これまで韓国産野菜が韓日間の貿易摩擦の火種になることはまったくなかったが、韓国の農家が品質改良を図り、対日輸出に力を注いだことから、日本産を圧倒するようになった。韓国産の人気が高いのは、安くて新鮮でおいしいからだ。

 日本に輸出されている主な野菜、くだものは、キュウリ、プチトマト、ナス、パプリカ、カボチャ、ピーマン、キャベツ、イチゴ、スイカなど多種多様で、輸出額は8890万㌦(昨年)に達する。特にプチトマト(2290万㌦、前年比31%増)、パプリカ(2360万㌦、同96%増)は日本市場で高いシェアを誇る。

 農業をとりまく環境は、韓国も日本と非常に似ている。安い輸入品が出回り、農家の死活問題にかかわるなど深刻だ。韓国政府が中国産にんにくの輸入急増にセーフガードを発動し、これに対抗して中国が韓国製携帯電話の輸入禁止措置をとった「韓中にんにく戦争」は、まだ記憶に新しい。だが、セーフガードは双方の輸入規制合戦をエスカレートさせただけで、問題の解決策にはならなかった。結局、「韓中にんにく戦争」は、双方が輸入規制措置を取り下げて決着した経緯がある。

 韓日は最も近い隣国同士であり、いろいろとトラブルも起こりやすい。しかし、両国間の貿易高が500億㌦を超すなど、相互依存関係は深まっている。むやみな輸入規制措置をとるのではなく、「野菜戦争」回避に向けた努力を重ねてほしいと思う。(A)