韓国に初めて鉄道が登場したのは1899年、ソウルと仁川を結ぶ33㌔の京仁鉄道だ。
その後、日本の植民地時代を前後して、ソウルと新義州を結ぶ京義線、ソウルと元山を結ぶ京元線などが敷設。
植民地時代は日本の軍用に利用され、南北分断後は38度線で線路が断ち切られることになった。
京義線は現在、9月復元へ向けて連結工事が進められている。しかも将来、シベリア鉄道に連結してモスクワと結び、さらにはロンドンにまで到達する構想もある。
鉄道連結は、韓半島の平和と経済交流に大きな貢献を果たすだろうし、また中国やロシアの鉄道連結地域に居住する朝鮮族にとっても、経済発展の好機となるだろう。
同時に世界中の鉄道ファンが訪れることによる、観光客の増大も期待できる。以前、日本人の鉄道マニアから韓国鉄道旅行の魅力を聞いたことがあるが、例えば列車から見る太白山脈の美しさや、車内で出会う人々の人情の厚さなど、これが鉄道旅行の魅力かと思わされる話だった。
それが釜山から北朝鮮を通って中国、モスクワ、さらにロンドンにまで及ぶとなれば、鉄道ファンならずともわくわくする話だ。
そしてまた、南北分断前に京義線の機関士として働き、復旧後にもう一度運転したいと願う老人、統一への願いを込めて京義線の歴史を記録してきた韓国人カメラマン、京義線に乗って北からソウルに来て現在は日本で暮らし、復旧を夢見る在日1世の画家・呉炳学さんなど、多くの人々の期待が寄せられている。
京義線の復旧工事は順調に進んでおり、今月中に非武装地帯(DMZ)内の作業が始まる。地雷撤去や貴重な水生・湿生植物・野生動物の保護などの問題があるが、一つ一つクリアして、一日も早く鉄道連結を実現させてほしいものだ。(L)