ブッシュ米大統領が20日就任した。韓国にとって、新政権の韓半島政策にどんな変化があるのかが最大の関心事だが、経済問題については「通商摩擦が激化する可能性がある」という心配とともに、大減税の行方にも注目している。
その大減税とは、ブッシュ大統領が選挙期間中に公約した10年間で1兆3000億㌦という大規模なものだ。所得税減税はもとより、相続税廃止という2世大統領ならではの大胆な内容も盛られている。
この大幅減税で景気の減速に歯止めをかけ、経済活性化を図ろうというものだ。これを可能にしているのが大規模な財政黒字であり、98年度に29年ぶりに黒字転換に成功し、2002年度から10年間で5兆㌦近い黒字が出る見通しとなった。選挙でブッシュ氏に票を入れた人の80%がこの大減税を注目したからというから、論考行賞ものだ。
米国が最大の輸出市場である韓国にとって、米国の国内消費が刺激されれば輸出増大に直結する。その意味で、ブッシュ大統領の大減税政策は歓迎すべきものだろう。対米輸出依存度は昨年21・2%に達し、5年前の16・7%と比べてもさらに経済的結びつきは深まっている。しかし、これは逆にいえば、米国がくしゃみをすれば韓国は風邪をひくどころか肺炎にかかかってしまう。
コインに裏表があるように、大減税の裏面も考えなければならない。米国内では議会や連邦準備委員会などで「財政規律を損なう」との反対論が強くあり、「相続税を廃止することで貧富の格差を広げる」との反発もある。
ブッシュ大統領としては、任期中に景気がダウンするとは何としても避けたいだろう。だが、そのツケはリセッションとして必ず襲ってくる。気の早い話かも知れないが、韓国はブッシュ後を考えて経済体質をもっと強化する必要がありそうだ。(S)
2001/01/26