今年は国連が制定した「ボランティア国際年」にあたる。20世紀は「戦争」と「貧困」の時代であったが、21世紀は「人権」と「福祉」がキーワードになり、「共存共栄」の時代となるだろう。新世紀を迎えて最初の年が「ボランティア国際年」にあてられたことは意義深い。
すでに世界55カ国で「ボランティア国際年」を推進するための国内委員会が誕生し、福祉、環境、教育、医療など幅広い分野で活動を開始した。韓国でも昨年12月、5000人が参加して、「2001年ボランティア国際年推進韓国協議会」が発足、「新世紀」「新社会」「新民族」をキャッチフレーズに、キャンペーンを展開している。
ボランティアといえば、すぐ思い浮かぶのが6年前の阪神大震災の惨事である。現場で取材するなか、炊き出しや物資の供給、被災者を励ますイベントなどで大活躍するボランティアの姿に心を打たれた。在日や外国人被災者の力になり、同じ住民として勇気づけ、「共存」の意識を根付かせたのもボランティアの大きな功績であろう。
特に感動したのが、サムスンが送り込んできた医療ボランティアの活動だ。在日も日本人も分け隔てなく、病気やけがの治療に当たり、心のケアも行う姿を見て、人間に必要なのはこういう行為なのだと強く感じた。
ボランティア国際年に際して、ひとつ提案したい。北朝鮮には肝炎や結核など多くの病に苦しんでいる人々がいると聞く。北では独自の東洋医学や民間療法を発展させてきたというが、医療機器や医薬品はかなり不足しているという。そこで、韓日両国が医療ボランティアを派遣してはどうか。南北間では経済交流が盛んになりつつあるが、医療交流が進めば、さらに開放化が促進され、韓半島の和平を後押しすることにもつながるのではないか。
新世紀、民族やイデオロギーを超えたボランティアの活躍に期待したい。(A)