米ソルトレークで開かれていた冬季五輪が閉幕した。審判の判定ミスなど様々な問題を残した五輪だったが、選手は持てる限りの力を発揮したことだろう。中でもひと際印象に残るのが高基玄選手だ。弱冠15歳、スピードスケート・ショートトラック競技の女子1500㍍で金メダルに輝き、1000㍍でも銀メダルを獲得、韓国の存在を強くアピールした。
1000㍍をテレビ観戦したが、15歳とは思えない落ち着いた表情になんとなく親近感を覚えた。スタートは最後方につけていて、やや不安だったが、終盤の追い上げはもの凄く、トップとわずか100分の3秒差だった。精神力の強靭さを感じた。5歳のころロッテワールドのアイスリンクで滑ったのが最初だった。それから「韓国の星」になるべく日夜練習を重ねた。身長1㍍68㌢、体重58㌔と体格には恵まれている。だが、11月末に右ひじの骨にヒビが入り、韓国代表選考で「まだ中学生でもあり今回は見送ろう」という意見があった。しかし、期待を裏切らず、実力をほぼ100%発揮した。
話は五輪から音楽に変わるが、世界的なロンティボー国際音楽コンクールのピアノ部門で優勝した林東赫君(17)の演奏を聞いた。彼が弾くチャイコフスキーのピアノ協奏曲は圧巻だった。素晴らしい演奏に拍手も人一倍大きかった。隣席の人は「あの細い体からどうしてあんな迫力のある音量を響かせることができるのか」と驚いていた。
体重45㌔。純白のスーツ姿、飄々とした雰囲気も受けた。
国際舞台でのこの2人の活躍に触れて、元気をもらった。頑張らなくてはと身が引き締まる思いだ。ゴルフの朴セリ選手もそうだったが、若い世代の相次ぐ台頭に「韓国の未来は明るい」ことが実感できた。(S)