韓日国民交流年の今年、さまざまな行事が行われているが、夏休みとあって若者たちの交流が盛んだ。中でも、韓国の大学生150人が夏休み1カ月かけて、ソウルから東京までゆかりの地を旅する「2002平和の行進|朝鮮通信使21」は、興味深い試みだ。
韓国の韓日文化交流振興協会が企画したもので、7月26日にソウルを出発、8月2日には釜山から長崎県対馬の厳原町に入国。同町が毎年行っているアリラン祭りに参加した後、今月25日の東京での解団式まで下関、広島、岡山、神戸、日光など全国11都市を回る。日本の子ども達とキャンプファイヤーを行ったり、朝鮮通信使の小童の踊りが伝わったといわれる唐子踊り(岡山)に加わったりと、数多くの行事に参加する。若者同士が踊りあい、友情を深めれば最高だ。
受け入れ先の日本ウォーキング協会は、「21世紀の朝鮮通信使としてやってくる韓国の学生たちを暖かく迎えることが、日韓友好に大きな役割を果たす」として、市民の協力を訴えている。商店街でのパレードを予定したり、イベント・交流会の開催など到着を心待ちにしている地域が多く、各自治体も好意的で1泊3食3000円でユースホステルを提供してくれている。
この行事は昨年行う予定だったが、教科書問題や小泉首相の靖国神社参拝の影響で韓日関係が悪化し、中止された経緯がある。
江戸時代の朝鮮通信使は、1607年から1811年までの約200年間、12回にわたって行われ、善隣友好と文化交流に大きな役割を果たした。主催者は来年以降も継続して行い、「21世紀の朝鮮通信使」を定着させたいとしている。そのためにも、今回の行事を無事成功させたいものだ。(L)