日本の金融再生プログラムと総合デフレ対策がまとまり、ようやく始動したが、銀行界などの風当たりが強く、どこまでやれるのか、心もとない。日本の再生は、日本一国だけの問題ではなく、世界経済の浮沈を左右するだけに、一刻も早い経済再生が望まれる。
今回の日本の改革には、世界中が注目しており、マスコミの関心も高い。フィナンシャルタイムズは最近、構造改革が遅々として進まない日本と、IMF危機からわずか3年で再生を果たした韓国とを比較する記事を掲載し、「韓国の成功はパッリ、パッリ精神にある」と韓国を絶賛した。
「パッリ、パッリ」とは韓国語で「急げや急げ」という意味。韓国人は、思い立ったらすぐに行動に移す。韓国はIMF危機後、この「パッリ、パッリ」精神で矢継ぎ早の改革を断行し、経済再生の最大のガンである不良債権処理も、日本がもたもたと先送りばかりしている間に、韓国は155兆ウオンもの公的資金を投入し、あっという間に片付けてしまった。その過程で金融機関は4分の1が閉鎖され、財閥グループの約半分が解体や整理に追い込まれたが、早めの手術で病根を断ち切らなければ、助かる命も死んでしまっていただろう。
日本はバブル崩壊の後遺症から10年以上も立ち直れずにいるのに、韓国は5年でほぼ構造改革を完遂してしまった。両国の改革を動物にたとえるなら、韓国がウサギで日本はカメといえる。イソップ寓話では、歩みののろいカメが、油断したウサギに勝つが、一分一秒を争う現代社会では、カメののろさは致命的だ。
日本の政府は今年の「財政経済白書」で韓国の不良債権処理を取り上げるなど、いろいろ研究しているようだが、なにより必要なのは「ウサギ」に変身することだろう。(N)