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2002/05/17

<鳳仙花>◆韓国バレエの魅力◆

 韓日国民交流年の一環として韓国国立バレエ団が初来日した。韓国では最近、ミュージカルやバレエ公演が人気で、観客動員も増えている。ミュージカルは昨年秋の「地下鉄1号線」でその実力の一端を示したが、バレエに関しては日本ではほとんど知られていない。

 「韓国にもバレエ団があるの」と話す人もいたほどで、会場の反応が心配だったが、公演後の大きな拍手にほっとした。特に印象的だったのは、主役を務めたプリマドンナらのレベルの高さである。

 ロシアにバレエ留学し、モスクワやパリの国際コンクールで上位入賞した実力者が演じているのだから、当然といえるかもしれない。「清楚さと妖艶さに加え、アジア的情緒も感じさせるプリマドンナに驚いた」「男性ダンサーの基本に忠実な力強い踊りに魅了された」と、専門家の評価も高かった。

 国立バレエ団が創設されたのは62年。以来40年、「白鳥の湖」「ジゼル」などの古典バレエのほかに、韓国の古典を題材にした「春香の愛」など、創作バレエにも力を入れている。

 その国立バレエ団を急成長させる原動力となったのが、京都出身の在日2世、崔泰枝さん(42)である。日本でバレエを学び、同劇団のプリマドンナを務めた崔さんは、その実力を認められて97年に芸術監督に就任。積極的にレパートリーを開拓し、バレエの観客層を拡大するのに大きな役割を果たした。

 今回の日本公演実現も、崔さんの活躍が大きかったという。今年から芸術監督が変わったため崔さんの来日はならなかったが、在日韓国人が韓国バレエ発展に貢献したのはうれしい話だ。

 相互招請公演など、韓日バレエ交流は今後さらに深まりそうだ。バレエを通じて韓国の新たな魅力に触れてみてはいかがだろう。(L)