東西73㌔、南北41㌔の韓国最大の島、済州島。一周するのに車で4時間近くかかる。駆け足の取材だったので、とても全部はみることはできなかったが、「ここは太古の姿がそのままの天恵の観光地だ」という印象を強くもった。
歴史をたどれば、高麗王朝に征服されるまで耽羅国という名のれっきとした独立国だった。済州市内には耽羅を創建した三神人が現れた場所、「三姓穴」が遺跡として保存されており、かなりの人が見学に訪れていた。
北の済州国際空港から南の中文観光団地まで車で45分。さすが観光地だけあって道路網は発達していた。ロッテホテル、新羅ホテルを双璧に高級リゾートホテルがひしめいている。
韓国一温暖な地域であり、真冬の1月でも零下にならない。「東洋のハワイ」というに相応しい。夏になれば海水浴が楽しめる。空港から車で東に30分ほどいけば、済州1の咸徳海水浴場が広がっている。33万平方㍍の白い砂浜、海はエメラルドグリーンだった。
済州島は風が強い。西帰浦に建設されたワールドカップ・サッカー競技場は、グランドが地下に位置していた。案内員は「これなら風除けになるでしょう」と誇らしげだった。4月から国際自由都市になる。人口54万人の済州島に年間300万人の国内外観光客が訪れているが、これからますます増えるだろう。
4月19日からは済州―成田を結ぶ直行便も就航する。会う人ごとに「もっと親切になり、サービスもよくしないと」と言うのを聞いた。「世界の観光地」になるよう頑張ってほしいと思った。(S)