小泉首相が韓国を公式訪問、22日に金大中大統領と首脳会談をもつ。就任後の訪韓は昨年秋に続いて2回目だが、今回は教科書問題などが外交摩擦に発展した前回とは違う環境下にある。近づくワールドカップ(W杯)共催大会の成功を期し、最終点検をしなければならず、特に韓日協力関係を内外にアピールする必要があるだろう。
そこで延び延びになっている投資協定が今回、正式署名されることに注目したい。いうまでもなく同協定の骨格は、相手国からの投資が自国企業と比べ不利にならないようにすることだ。
韓日が制約なく相手国に投資でき、リスク負担も大幅に減少するだけに、経済交流・協力の大きな促進剤になると期待したい。
また自由貿易協定(FTA)についても、今首脳会談を契機に、民間に政府が加わるかたちで本格的な研究をスタートさせることになりそうだ。韓日FTAは、関税撤廃や貿易・投資障壁の引き下げによって共通市場をつくろうというものだが、その意義は大きい。
韓国側は関税撤廃による貿易赤字の拡大、日本側は農水産物の輸入関税撤廃で予想される国内業者への打撃など、課題はいろいろある。だが、中長期的に韓日両国の発展に大いにプラスになると双方が認識したこと自体、大きな前進といえよう。
両国の経済関係が密接になり、将来、韓日市場がひとつになれば人口で1億7000万人、国内総生産(GDP)で5兆・以上に達し、アジア経済の核としての役割が強まることも予想される。
投資協定署名、FTAの前進は、両国が一歩も二歩も協力関係を深めた証しである。W杯というビッグイベントを最大限に生かし、この協力関係をより確かなものにすべきだろう。(J)