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2002/03/08

<鳳仙花>◆光があたる韓国研究◆

 もう10年以上も前のことになる。東京大学の史料編纂所で韓日関係史の研究をするため日本を訪れたオランダ・ライデン大学文学部のツォア・ミャオリン博士を取材したことがある。ライデン大学には「韓国・日本研究センター」があり、博士はそこで研究を続けていた。

 まだ、韓日交流がそれほど活発でないころで、外国で韓国研究が進んでいることにびっくりした記憶がある。ツァオ博士に、「隣の国なのに、日本ではなぜ韓国研究がさかんでないのか」と聞かれたことを思い出す。

 東京大学が今年4月の新学期から、日本で初めて大学院に「韓国研究」の専攻課程を開設する。4日に訪韓し、ソウル大学の入学式に出席した佐々木毅総長は、祝辞の中で「新学期から教養学部と文学部の大学院に韓国研究の専攻課程を新設する」と明らかにした。

 東大は、大学院の韓国・朝鮮文化研究課程に4講座を開設し、歴史学、考古学、社会学、語学、文化人類学の専門家8人が教鞭をとり、ソウル大から客員教授も招くという。いささか遅きに失した感も否めないが、ようやく韓国のことを真剣に研究しようという気運が日本に出てきたことはよろこばしい。これに刺激を受けて、他の大学でも韓国研究が進むことを期待したい。

 一方、ソウル大学でも昨年、人文学部の言語学科に上級日本語課程が開設されるなど、日本研究がさかんだ。李基俊総長は、「今後、日本研究に対する支援を拡大していく計画だ」と述べており、両国の最高学府による相手国の研究が飛躍的に進む見通しだ。

 ゲーテは、「外国の文化を知らなければ自国のこともわからない」と語っている。韓日両国の隣国研究が進めば、おのずと相互理解が深まると思う。(N)