今春、日本で大ヒットした韓国テレビドラマ「冬のソナタ」が、NHKで再放映され、再び話題を呼んでいる。『秋の童話』『イヴのすべて』なども話題となり、ドラマのロケ地ツアーめぐりに日本の女性が殺到するなど、人気は拡大する一方だ。
中国、台湾、香港などでも韓国エンターテイメントブームが起き、“韓流”と呼ばれているが、それもテレビドラマ人気が大きな役割を果たした。この韓国ドラマ人気はどこから来ているのだろうか。
『冬のソナタ』は、出生の秘密、記憶喪失、恋のライバル出現など様々な障害が押し寄せる息もつかせぬストーリー展開、それらを乗り越える2人の一途な愛、そして主人公の魅力と演技力、この3点が大きな特徴であり、日本の多くの女性ファンの心を打った。
ペ・ヨンジュンの知的なマスク、チェ・ジウの可憐な美しさに加え、いまの社会では忘れられかけた「初恋の思い出」「純愛」に涙した人が多い。
一方、ファッションやライフスタイルのかっこ良さとは裏腹の、韓国社会に残っている貧富格差や学歴差別、身分差別、家族意識の強さなど、社会的制約の大きさに驚いたファンも多いだろう。
儒教社会の影響なのか、韓国はいまだに血縁意識が強く、力を持った者が弱者を見下す風潮も根強い。社会の不条理や制約が日本以上に強いからこそ、物語に真実味が感じられるのである。
現在も「ホテリアー」「秘密」「真珠の首飾り」など、韓国で人気を博したドラマの上映、再上映が相次いでいる。良質なドラマを今後も提供してもらい、韓国をもっともっと身近に感じるきっかけになればと思う。(L)