社団法人日本女性航空協会から機関誌「空のワルツ」を送っていただいた。表紙には、熱海梅園の韓国庭園にある韓国人女性パイロット朴敬元さんをしのぶ「朴飛行士記念碑」の前に並んだ韓日の女性たちの記念写真が飾られている。
日本女性航空協会は、女性パイロットの親睦団体で、いまから51年前に誕生した。こういう団体があったとは知らなかったが、30年も前に、韓国女性航空協会と姉妹提携し、交流を重ねていたことを知ってびっくりした。
今年が姉妹提携30年に当たるのを記念して、このほど両協会の会員らが熱海に集い、交歓会を催した。熱海を選んだのは、韓国人女性パイロットの草分けである朴敬元さんが1933年8月7日、羽田から祖国訪問のために単身飛び立ち、熱海の玄岳山で遭難し、帰らぬ人となったためである。そもそも、両協会の交流のきっかけは、韓国女性航空協会の金ギョンホ会長(当時)から先輩女性パイロットの遭難場所を探してほしいとの依頼があり、熱海市の協力で遭難現場を突き止め、両協会のメンバーが慰霊の花束を捧げたことに始まる。驚いたことに、地元の人々は、遭難場所に自然石の碑を建て、朴女史の供養をしていたという。
熱海市は、朴敬元さんの遭難事故と地元の人々のまごころの活動を通じて生まれた韓日友好を記念するため、熱海梅園の中に昨年誕生した韓国庭園に朴飛行士のレリーフと「思いは遥か故郷の大空」と題した記念碑を設置した。機会があったら、ぜひここを訪れてほしいと思う。
日本女性飛行士協会は昨年、サッカーW杯を記念して、セスナ3機による親善訪韓飛行を成功させており、韓日の友好の絆がさらに深まった。こういった交流を知るとうれしくなる。(N)