13億人の中国が経済的躍進を続け、世界の工場として世界市場に躍り出ている。そんな中国を今月上旬訪れた盧武鉉大統領は、上海の想像以上の発展ぶりをみて、うかうかしては中国に追い越されると強い危機感を抱いた。
帰国後ただちに青瓦台(大統領府)で緊急会議を開き、「中国の急速な登場はわが国にとって危機でもあるがチャンスにもなりうる。これをチャンスにすべく、すべての領域で変化が必要だ」として、韓国の競争力強化対策を早急にまとめるよう指示した。訪中に随行した参謀たちはこれを「上海ショック」と呼び、対策作りを急いでいる。
年率12%成長を遂げる上海をはじめ中国の急速な成長は韓国にそれほど時間の余裕を与えていないかも知れない。当然、追い上げられ追い抜かれる産業が出てくることが予想される。上海の浦東地区を視察した青瓦台幹部は、「経済自由度で上海は韓国よりはるか先に行っている」と報告したが、超近代的なビルが林立する上海を見て盧大統領が感じた危機感は決して偶然ではないだろう。
いよいよ韓国も中国の挑戦に本格的に備えることになったわけだが、過度に警戒せず、「競争と協調」を原則にすべきだと思う。韓中経済は11年前の国交正常化を契機に急接近しており、韓国企業は中国市場に雪崩のように進出、昨年には米国を抜いて中国が最大の輸出市場になった。また、中国側は世界最大の年産1000万㌧の製鉄所建設を依頼するなど韓国との経済協力に大いに期待している。隣国同士、結びつきが深まっているのである。これを生かしたい。
韓中首脳は「すべての分野における全面的なパートナー関係」の構築に合意しているが、経済はそのモデルケースをつくれる十分な条件にあると思う。(S)