先週末、取材で韓国を訪れた。イラク戦争とSARS(重症急性呼吸器症候群)が重なったためか、成田空港も仁川空港も利用客が少なく、またソウル市内では米国大使館の警戒厳重なのが印象的だった。
ところで、韓国では取材の合間に、語学とIT研修のために昨年12月からソウル留学中の後輩を訪ねた。同研修は、韓国の在外同胞財団と情報通信部(韓国ソフトウェア振興院)が共催で、在日韓国人青年に韓国語・文化・IT教育研修を実施している。
留学先の淑明女子大学IT教育院を案内してもらったが、なかなか立派な建物なのに驚いた。訪問時間が遅かったため教室内には入れなかったが、パソコン設備も図書室もとても充実しているそうだ。
こういう施設で、しかも韓国政府の援助付きで学べるのだからうらやましい限りだが、関係者に聞くといくつか課題があるそうだ。
一つは在日青年集めに苦労していること。今回も日本からの参加者は9人しかいなかったため、すでに韓国に語学留学中の在日青年を勧誘して、やっと定員(30人)近い29人にした。
授業が英語と韓国語、しかも聞き慣れないパソコン用語が飛び交うハードな内容のうえに、研修が半年という短期間のせいもあるのだろうが、「とても中身が濃い。先生も親切で的確なアドバイスをしてくれる」と後輩が話す通り、充実した研修なので少しもったいない気がした。もう一つは卒業後の進路だ。主催者は就職先確保にも力を尽くしてほしい。
韓国は世界1のインターネット大国だ。在日3、4世の若い世代がそのネット技術に加えて韓国語・韓国文化を学び、韓日双方で活躍して、韓日の懸け橋になれる時代がやって来た。(L)