日本の文部科学省はこのほど、欧米系のインターナショナルスクールの卒業生に大学入学資格を与える方針を表明した。しかし、この対象から在日や中国などアジア系の民族学校は除外されている。なぜ、インターナショナルスクールがよくて民族学校がだめなのか。
文科省の説明によると、米国のWASC(西部地域学校大学協会)や英国のECIS(欧州国際学校協議会)が認定した学校が対象だという。これら機関が認定する学校は、英語での教育を前提としており、この段階ですでに韓国・朝鮮系は排除されている。
日本にある外国人学校は112校(文科省2002年統計)に達するが、このうち高校課程を設置しているのは40校。このうち欧米系18校は、WASCなどの認定を受けており、問題がない。しかし、韓国4校、朝鮮12校、中華2校、インドネシア1校などは学校を卒業しても大学入学資格が得られず、大学を受験するには、日本の大学入学資格検定(大検)をパスしなければならない。これはアジア系への差別ではないか。
インターナショナルスクールの生徒は、ほとんどが親の仕事の関係で一時的に日本に住むことになった子どもたちである。これに対しアジア系の民族学校に通う生徒は、日本で生まれ育ち、生活基盤を日本に置いている場合がほとんだ。にもかかわらず、一方に対してのみ大学入学資格を認めないのは、いかにも不条理な話だ。
例えばフランスでは、高校を卒業するしないは問題ではなく、国家検定バカロレア(大学入学資格)を取得すれば、内外国人を問わず、大学教育が受けられる。日本もこういった諸外国の事例を手本に、だれもが納得できる教育制度を確立してほしいと思う。(N)