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2003/02/07

<鳳仙花>◆青森冬季アジア大会の話題◆

 アジアの冬の祭典、青森アジア冬季競技大会がきょう7日、幕を閉じる。東ティモールやカタールが初参加し、3大会ぶりに北朝鮮が復帰するなど、大会史上最多の29カ国・地域から1043人が参加し、それなりに意義深い大会となったが、いまひとつ盛り上がりに欠けた。

 史上最多の参加国とはいえ、内実は役員だけで選手を一人も派遣していないところがクウェート、ブータン、シンガポールなど10カ国もあり、実際の参加選手の人数は600人余りにすぎない。冬季大会で競技人口が少ないということもあるが、国際大会としては実に寂しい。

 開会式ではマスコミ席が160席用意されたが、開幕直前に北朝鮮が参加を表明するやいなや、一斉に取材が殺到し席が足りなくなった。北朝鮮の参加はなにかと話題を振りまいたが、残念なこともあった。

 今回の冬季アジア大会では、「一校一国交流」が実施され、競技の開催地となった青森県下の6市町村の小中37校がそれぞれ応援相手国を選び、横断幕や国旗を用意して声援を送った。子どもたちは、事前に応援国の歴史や社会事情などを学習し、国際理解を深めたと聞く。

 しかし、北朝鮮を応援する学校は一校もなかった。北朝鮮の応援を依頼された三沢市のある小学校は、「北朝鮮を応援すれば、子どもたちがいやな思いをする」と断わったという。学校に「なぜ北朝鮮を応援するんだ」と嫌がらせの電話があったというから、理解はするが、残念でならない。

 これから日本と北朝鮮は国交正常化を実現しようとしており、拉致問題だけにとらわれるのは木を見て森を見ないことになりはしまいか。子どもたちには北朝鮮のことも学んでほしいと思う。(G)