日本最大の勝ち組企業がトヨタなら、韓国企業最大の勝ち組はサムスン電子だろう。昨年の売上高40兆ウオン、純利益7兆ウオンは、創業以来最高の業績であり、世界最大の半導体メーカー、インテルの売上高34兆ウオン、純利益6兆ウオンをも上回る。トヨタは経常利益1兆円を突破したが、これに匹敵する数字だ。世界的なIT不況の中で、なぜかくもすごい業績をあげ得たのだろうか。
米国の「ビジネスウィーク」誌は、昨年6月にサムスン電子を「世界最高のIT企業」に選定したが、日本の経済専門誌「エコノミスト」(1月21日号)は、「経営者の強力なリーダーシップで世界最高の企業に浮上」と題する分析記事で、サムスン電子の成功の秘訣として李健熙会長のリーダーシップをあげた。
そのリーダーシップの最大のポイントは現状に安住せず、5-10年先を常に見据えた「準備経営」をしている点に尽きる。88年の半導体不況下でも大々的な投資と組織改編を断行し発展の土台をつくった。93年には「新経営」のスローガンのもと質中心経営に転換し、97年のIMF危機では強力な構造調整で競争力を強化した。節目節目で指導力を発揮したという分析である。
ここで言えることは、今日の成功は一朝一夕でなったものでないということだ。それはトヨタの場合も同じだろう。週刊誌「アエラ」(1月20日号)は「トヨタの好業績だって、現場の愚直な努力の繰り返しの結果である」と分析。年間に数十万件の改善提案が現場から出され、一層のコスト削減と品質向上に結びつけたという話を紹介している。
いまは企業にとっても大変厳しい時代であるが、サムスン電子とトヨタに代表される韓日の勝ち組企業に学ぶべきことは多いと思う。(S)