盧武鉉大統領と小泉純一郎首相の韓日首脳会談が、きょう17日から2日間にわたり、鹿児島県の指宿(いぶすき)で行われる。
盧武鉉大統領にとっては、2度目の訪日であり、小泉首相と腹を割って忌憚なく話し合い、互いの親交を深め合って、国交40周年に当たる来年の「韓日友情年」の成功に向け、大いに中味のある両国友好をアピールしてほしいと思う。
前回の済州会談では、日本で大ヒットした韓国映画「シュリ」に登場する海沿いのベンチで、ラフな格好で両首脳が談笑しているほほえましい光景が見られた。小泉首相の手には太極旗(韓国の国旗)が描かれたうちわが握られていて、実に和やかなムードだった。今回の指宿会談では、どんなパフォーマンスが登場するのか楽しみだ。漏れ聞くところによると、今回は両首脳が指宿名物の砂風呂に入って会談する計画があったが、国家元首の浴衣姿は好ましくないという話が出て、残念ながらとりやめになりそうだという。
首脳外交がいかに大事なものか、その例はドイツとフランスの関係にみることができよう。独仏は、古くから国境地帯のアルザス・ロレーヌ地方の帰属をめぐって争いが絶えず、ナチの時代にドイツがフランスを占領したこともあって、両者は犬猿の仲が続いていた。それが、シュレーダー首相とシラク大統領が、ひと月に1度というように頻繁に顔を合わせ、親密な関係を築くようになり、その影響で国民同士の親近感も深まっている。今年初めて、仏ノルマンディーで行われた解放記念式典にシュレーダー首相が招かれ参加したことは、両国の関係改善を示す端的な例といえよう。
韓日首脳が「普段着外交」を定着させ、頻繁に相手国を訪問する慣例をつくれば、国民同士の交流拡大にもつながり、両国の関係はさらに発展する。今回の指宿会談が、その契機となることを期待したい。(N)