ここから本文です

2004/10/08

<鳳仙花>◆韓日を襲う少子高齢化◆

 韓国と日本は世界でも際立った出生率低下と高齢化に突き進んでいる。特に、このまま少子化が進めば成長潜在力は萎え、国の発展は望めなくなる。深刻な問題だけに対策が急がれるが、その原因は十分解明されていない。

 日本は世界最高の長寿国であり、出生率も1・37に下がっている。一方の韓国の出生率は1・18まで下がり、チェコと並び世界最低水準だ。20年前は一人の女性が平均4、5人生んでいたのが嘘のようである。両国に一体何が起こっているのだろうか。

 先日、NHKテレビのスペシャル番組「63億人のデータマップ」がこの問題を取り上げていた。韓国の場合、教育費がかさみすぎて、2人以上欲しいと思っているが、その余裕がないという30代の働く女性の悩みが語られていた。異常な学歴社会とし烈な競争社会がその背景にあり、国家、社会的な環境整備が遅れていることを示している。

 一方、日本の場合は、20代、30代の未婚率が急速に高まっており、子供を産まない女性も増えている。「多くの人々は将来に希望をもてなくなっており、エネルギーも時間も費用もかかる子育ての気持ちが萎えている」という分析もある。

 欧州では一足早く深刻な少子化を経験したが、各国で出生率は上向いている。長期の育児休暇など女性の働く環境が飛躍的に改善されているからで、国家や社会、企業が積極的に後押しした結果だ。デンマークでは国民の実に98%が「現状に満足している」という。税金は驚くほど高いが、教育費も医療費もすべて無料。会社は別々だが、夫と妻が育児のため1日交代で休めるシステムもできあがっている。

 置かれている状況が違うので、このような欧州の例をそのまま真似ることはできないが、大いに参考にすべきだろう。韓日で働く女性会議を開いてみてはどうだろうか。きっと良いアイデアが出てくると思う。(S)