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2004/03/12

<鳳仙花>◆アジアを席巻する"韓流"◆

 ”韓流”という妖怪がアジアを席巻しようとしている。”韓流”とは、香港、台湾、中国、それにベトナムなどの地域での韓国エンタテインメントブームを表現する言葉として使われている。

 2000年2月、中国のマスコミが韓国人歌手の北京公演に集まった青年たちを見て、「韓流が中国を強打した」と新聞で報じたことから広まり、中国では流行語になった。
 この言葉は、数年前から韓国のマスコミにも取り入れられた。

 その”韓流”が現在、日本にも及ぼうとしている。昨春の『冬のソナタ』放映以後、主人公のペ・ヨンジュンやチェ・ジウをはじめ韓国のタレント、映画俳優を特集した雑誌、単行本の発行が相次ぎ、これまで30点前後が出版された。

 韓国ドラマや映画のCD、ビデオ、DVDの売り上げも好調で、その経済効果は、現在50億円に達すると言われている。巨大市場日本を見込んで、今年に入ってからも、韓国人歌手や映画俳優らが続々来日、売り込みに余念がない。

 日本ではこれまでも香港映画や台湾映画がブームになり、それらの国に対する語学学習、旅行者が増えた経験があるが、今回は質量ともそれらを遙かに超えるものになりそうだ。

 中国、東南アジアから日本へ――。韓国エンタテインメントの広がりについては、社会科学的なアプローチもなされているが、韓国政府の役割にも小さくないものがある。
 盧武鉉大統領は昨年末、若いスターたちを青瓦台に招き、「輸出産業の担い手」として激励した。文化観光部は今月8日にはチェ・ジウらを正式に文化観光大使に委嘱するなど、”韓流”を文化戦略の柱と定め、中国、日本市場向けに大イベントを次々と行っていく計画だ。

 アジアの大交流時代に、韓国は経済以外に文化産業を掲げ取り組みだした。今後どう発展するか楽しみだ。(L)