先日、あるテレビ番組で女優でタレントの阿部美穂子さんが取り上げられていた。美穂子さんは、NHKのハングル講座のアシスタントを務めていたときに、元Jリーガーの崔成勇選手と知り合い、交流を重ねて昨年12月28日にソウルのホテルで結婚、いまは京畿道水原に住んでいる。
番組では、結婚準備のため、1カ月前に韓国入りし、親族にあいさつ回りをしたり、成勇さんの母親から韓国の伝統料理を習ったりする美穂子さんの姿を紹介し、結婚式の様子や新居での生活を追っていた。
似ているとはいえ異国に嫁ぐということは想像を絶する苦労がある。彼女は結婚式で嫁ぎ先の両親にあいさつする「ペベク」という儀式もきちんとこなし、日本人とは思えないほど韓国社会に溶け込んでいた。
新婚家庭に夫の先輩や友人を呼んでもてなす「チブトリ」という行事も、義母に手伝ってもらって韓国料理や味噌汁で客をもてなし、喝采を浴びていた。
この番組を見て、時代はずいぶん変わったと思った。30年ほど前、友人が韓国人女性と留学先で知り合い、結婚まで約束したが、双方の親の反対で思いを遂げることができなかった。当時は、韓日の結婚は否定的な風潮が強く、双方に偏見も多かった。それが昨今は、韓日の国際結婚はめずらしくなくなり、身近な友人にも韓日カップルが何組もいる。
厚生労働省によると、韓日の国際結婚は1万3275組(2002年、朝鮮籍含む)で、10年前の4974組から大幅に増えた。もちろん、国際結婚は在日同胞と日本人が圧倒的多数を占めているが、最近では留学やビジネスで相手国に滞在し、結婚する韓日カップルも増えている。韓日の結婚が増えるにつれて、両国の絆も強まっていくに違いない。(F)