仙台で開かれたアテネ五輪代表を決める女子バスケットアジア選手権。韓国、中国、日本が順当にアテネ五輪出場を決めたが、準決勝で世界ランク6位の韓国を同11位の日本が破る波乱があった。
日本チームの秘密兵器と目されているのが、2002年11月に日本国籍を取得した韓国出身の河恩珠選手(ハ・ウンジュ、20)だ。
河選手は身長200㌢の大型センターで、現在は常葉学園短大2年生。日本女子バスケの有力チーム、シャンソン化粧品に所属している。父親がやはりバスケの元韓国代表センターで、その父の指導を受けて小学校4年生からバスケを始めた。
中学卒業後、日本の高校バスケの名門桜花学園に留学。全国高校選抜で3度の優勝を遂げ、圧倒的な力を見せた。日本の社会人チームに国籍規定があること、慣れ親しんだ日本で思い切りプレーしたいとの思いで帰化した河選手。
今選手権でも日本代表としての出場を打診されていたが、韓国戦があるため、家族や周囲から慎重意見が強く出場を断念した。
その河選手に対し、日本バスケットボール協会が、アテネ五輪へ向けて日本代表入りを要請する。これまで在日コリアンのスポーツ選手には、韓国代表か日本代表か難しい選択を迫られた例が数多くあった。アテネ五輪で日本柔道代表を目指す在日4世の秋山(秋)成勲選手のように、「国籍に関係なく、自分の技を世界中の人に見てもらいたい。両国での選手経験を生かしてアテネでメダルを目指す」と、堂々と自己の生き様を示す青年もいる。
河選手がアテネの桧舞台で実力を思う存分発揮出来るように、韓日のバスケット関係者はあたたかく見つめてほしいと思う。(L)