大相撲の韓国公演がようやく実現する。2月14日と15日にソウルで、18日に釜山で計3回の巡業が行われることになっており、「日本の国技」が韓国の人々の目にどう映るのか、非常に興味深い。
当初は昨年6月に行われる予定だったが、新型肺炎(SARS)の影響で延期されていた。
公演に先立ち、韓国出身の力士、春日王らが先日、事前PRのために韓国を訪れ、相撲のルールや決まり手の紹介、実際の取り組みを披露したほか、韓国のちびっこたちを相手にアトラクションを行い、手ごたえは上々だったという。
韓国でも衛星放送で日本の大相撲が見られるが、一部のファンを除いて関心は薄く、人気スポーツにはほど遠い。特にちょんまげ姿や、お尻丸出しの土俵姿に違和感を持ったり、過去の歴史から日本の伝統的な国技であることに抵抗を感じている人もいると聞く。しかし、韓国には相撲に似たシルムという格闘技があり、大相撲にもなじみやすいと思う。
日本書紀によると、相撲の起源は、垂仁天皇7年(4世紀初めごろ)に国一番の力自慢・當麻蹶速(たぎまのくえはや)と野見宿禰(のみのすくね)が闘い、宿禰が勝ったのがはじまりとされる。この宿禰は、大陸の文化であった焼き物「埴輪」の技術を伝えた人物として知られ、「土師」(はじ)の姓を賜っており、渡来人だったとみられる。こういったことを考えると、韓国と大相撲とのゆかりが感じられる。
今回の公演には、春日王をはじめ、横綱の朝青龍らモンゴル出身力士、グルジア出身の黒海なども参加する。国際色豊かな顔ぶれに、韓国の人々は驚くに違いない。生の取り組みを見て、春日王に続こうと決意する若者もいるかもしれない。今回の大相撲韓国公演が大成功に終わることを期待したい。(G)