各地で韓日交流の取り組みが行われているが、大学の交流事業も盛んだ。高麗大学と早稲田大学はその草分け的存在である。1973年に「質実剛健」の校風が似ているということで姉妹校となり、その歴史は30年を超えた。
毎年、交換留学生や交換教授の派遣、短期交流プログラムなど様々な交流を行っているが、2002年には、両校の学友会(同窓会)同士が相互交流協定を締結した。従来の枠を超えて、ラグビー部の定期戦を始めたり、職員研修を相互に受け入れるなど、両校の関係はさらに緊密さを増しているようだ。
また同年、高麗大学経営学部の李鎭圭教授が早稲田大学に交換教授として赴任し、政経学部の白木三秀教授と親交を深めた。翌年には、高麗大学で日本文化研究サークルを結成し、学生を連れて相互訪問を開始するなどしている。
早稲田大学は、これまで韓国人留学生を多数受け入れてきた。学内の大隅庭園には、82年に創立100周年を記念して韓国在住の早稲田大学韓国交友会が寄贈した「聖徳大王神鍾」の複製が展示してあり、韓国情緒が漂っている。昨年春には、2007年の創立125周年を前に、「聖徳大王神鍾」の屋根となる「韓鍾閣」を寄贈した。
卒業生には、辛格浩・ロッテグループ会長、李健熙・サムスングループ会長、趙錫来・暁星グループ会長、金昌星・全紡株式会社会長ら韓国の大物財界人が名を連ねるなど、早大留学生の人脈は韓国でも大きな力を持っている。
先日、高麗大学卒業生でLGグループ会長の具斗会氏に、韓日交流事業への貢献を評価して、早大が名誉学位を授与することもあった。
「韓日関係が政治的に厳しいからこそ、大学が交流の先頭に立たなければならない」と両校の関係者は口をそろえたが、その言葉通り、韓日交流に貢献する人材を、今後も輩出してもらいたいものだ。(O)