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2005/08/05

<鳳仙花>◆宝塚の韓国公演への期待◆

 韓国と日本が国交正常化して40年、その記念行事の一環として宝塚歌劇団が韓国の文化庁に招かれ、11月にソウルの慶熙大学で公演を行う。宝塚の海外公演は数多いが、韓国公演は今回が初めてだ。日本の大衆文化が続々入っている韓国で“女性だけのミュージカル”がどのように受け入れられるのか、楽しみである。

 1913年に兵庫県宝塚市で創団した宝塚歌劇団は、劇団傘下の2年制の宝塚音楽学校で日本舞踊、バレエ、声楽、オペラなどあらゆる芸能の修練に励み、その卒業生だけが入団を許される、いわば“女の園”だ。

 在日韓国人が多く住む兵庫県という土地柄、在日の団員もいる。現在トップクラスで活躍する役者がいて、今回の訪韓公演では重要な役割を演じるという。そんな点からも興味深い。

 さて、宝塚歌劇団がソウルで披露する演目は、宝塚の十八番「ベルサイユのばら」。18世紀のフランスを舞台に、優雅な貴族たちの生活の影で、貧困にあえぐ市民たちがフランス革命を起こすまでの物語だ。漫画家の池田理代子さんの原作漫画を舞台化したもので、韓国でも翻訳され若い世代の間では人気が高いので、共通の土壌は既に出来上がっている。

 ミュージカルといえば、韓国の「地下鉄1号線」が数年前に日本で公演され、「なかなかのレベルだ」と話題を呼んだことがある。今年5月の韓国ミュージカル「ギャンブラー」東京公演を見た日本人の友人は「韓国人俳優の歌唱力に圧倒された」と話していた。韓流ブームの続く日本だが、韓国の新たな魅力を発見したようだった。

 宝塚の韓国公演は初めてなだけに、日本の大衆文化の新たな発見や驚きがあるかも知れない。それにしても国交正常化40周年で初公演である。今後はそういうことが珍しくないように、多くの分野で幅広く交流を増やしてほしい。(O)