12月にインドネシアのジャカルタで初の東アジアサミットが開かれる。韓国、日本、中国の3カ国とASEAN10カ国にインド、オーストラリア、ニュージーランドの首脳も加わる見込みだ。首脳同士が胸襟を開いて話し合い、懸案の地域協力体構想を実現するステップにしてほしい。
1980年代から90年代にかけて21世紀は「アジアの時代」といわれた。バブル全盛の日本、韓国や台湾、香港、シンガポールのアジアNICS(新興工業諸国)の経済的な急成長がそのような積極的な評価を生んだ。しかし、バブルは崩壊し、通貨危機がアジア諸国を襲った。そこからやっと立ち直り、新たに急成長する中国が加わって巨大な地域経済圏ができあがった。再び「アジアの時代」の到来と呼べる形になったが、今度こそ「外華内貧」の教訓を生かさなければならない。
サムスン電子の尹鍾龍副会長は北京で開かれたフォーラムで講演、「巨大市場をかかえるアジアが大胆な技術革新でデジタル革命をリードし、これから世界経済の中心として浮上するだろう」との考えを示した。全世界に占めるアジア諸国のGDP(国内総生産)は2000年の27%(8兆9000億㌦)から2010年には32%(13兆8000億㌦)に増えると予想、アジア諸国が積極的な交流と協力を通じてグローバルな法制度を整えるべきだと力説した。協力の一つのあり方といえる。
ともかく、アジアンパワーの爆発は、世界第2の経済大国日本、半導体や造船で世界を席巻している韓国、そして「世界の工場」になった中国の3カ国が中核であり、東アジアの地域協力体は経済が先行するしかない。その意味でも韓日FTA(自由貿易協定)交渉が中断状態になっているのは大きな問題だ。来月下旬にソウルで韓日首脳会談が開かれる。お互い歩み寄り打開策を講じてほしい。アジアでリーダーシップを示す姿勢が何よりも重要だと考える。(S)