韓流ブームは続いているが、歴史認識問題でまた火が吹いた結果、国民の意識に陰りが生じた。韓国の東亜日報社、日本の朝日新聞、中国の社会科学院が最近共同で実施した3カ国世論調査で、それが裏付けられた。
調査結果を見ると、韓国と中国で「日本を嫌い」とする意見はどちらも約60%に達したが、日本で「韓国を嫌い」とする意見は22%にとどまった。日本を嫌いというのは、歴史教科書や靖国参拝問題などの影響で、日本に対する警戒心が高まっていることの反映だろう。
歴史問題は韓国で95%、日本でも60%が未解決としている。植民地支配の傷跡がいまだに残る韓国では、各家庭のリアルな体験として歴史問題が残っているのだから、この数字は当然と言えるかもしれない。
一方、「韓国の映画やドラマを見る」が日本で34%にものぼっており、そのうちの40%の人が、「韓国の大衆文化に触れて韓国に親しみを持った」と答えている点は興味深い。
これに対し韓国側は、日本文化に接する機会は増えたが、「日本への親しみが増した」のは16%と、まだ高い数字ではない。しかし、日本の映画やドラマを見る人の約70%が、「日本に対する親しみが増した」と答えているのは注目される。
韓国エンタテインメントを紹介し続けている田代親世さんは、「日本のお茶の間で韓国ドラマを見ることが出来る効果は大きい。韓国に尊敬の念を持った人たちは、歴史にも目を向けるはず。韓国のお茶の間でも日本ドラマが普通に放映されれば、日本への関心が高まるだろう」と語っている。
国民間の信頼感が強ければ、政治的な波風が立とうが、摩擦は最小限で済むものだ。文化を通じて「お互いを知る」ことにより、韓日関係を少しでもよくしていきたいものだ。