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2005/01/07

<鳳仙花>◆インド洋大津波に在日も支援を◆

 「同じ地球村の住民として最大限の援助をしよう。韓国は世界10位の経済力を持った国なのだから」。インドネシア・スマトラ島沖地震・インド洋大津波被災者の救援を訴える韓国内の声だ。

 犠牲者はこれまでに15万人。生活基盤を失った住民は500万人にのぼるといわれる。現地では伝染病、餓死の恐れも出ており、死者は今後も万単位で増える見込みだ。
韓国人も10人が死亡、10人が行方不明、安否未確認が296人にのぼっている。

 韓国政府は現地に緊急支援団のほか、DNA鑑定のための法医学者などを派遣した。救援金も5000万㌦の支援を決定。被災国出身のオーバーステイの外国人労働者にも一時帰国と再入国許可を認めた。 また大韓赤十字、民間の医療ボランティア団体なども現地入りし、他の国々と協力して援助活動にあたっているが、人手不足は深刻で、さらなる支援が求められている。

 世界各国がこの未曾有の大惨事に支援の手を差し伸べており、北朝鮮も義援金15万㌦を支援すると発表した。世界に散在するコリアン社会でも何か援助が出来ないものだろうか。

 特に在日には95年1月17日の阪神・淡路大震災という大きな経験がある。約6400人の犠牲者を出した同震災では、在日同胞も密集地などを中心に131人が亡くなり、ケミカル産業などの同胞企業が大被害を受けた。この事態に民団、総連という組織だけでなく、多くの在日が被災現場を訪れ、物心両面から支援をした。

 また外国人労働者が言葉の問題で支援を十分に受けられないことを知ると、多言語で災害情報を伝えるFMラジオ局やボランティア団体が、在日有志の手で作られ、多文化共生社会の担い手になるべく活動を進めたことを思い出す。

 世界規模の大惨事を前に、在日コリアンも支援の輪を広げるべきではなかろうか。(L)