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2006/09/15

<鳳仙花>◆韓日学生会議20年の交流◆

 韓日関係について幅広く議論し、学生同士の交流を通じて相互理解を深める活動を展開している日韓・韓日学生会議が発足して今年で21年目を迎えた。両国の学生たちが自主的に運営し、ことばや文化を学び、毎年夏休みに相手国を訪問してホームステイしたり、時事的なテーマで討論会や交流会を開いている。このような活動が20年も続いてきたことに拍手を送りたい。

 今年も8月3日から17日まで、双方42人が参加し、京都と東京を会場に活発な交流を行った。韓日間の火種となっている「靖国問題」や「嫌韓と反日」、「戦後の日韓関係」などをテーマに分科会を開き、「ソニーとサムスンの提携」など経済的な交流についても取り上げた。実行委員長の安倍大資さん(早稲田大学商学部3年)は、「日韓関係は難しい問題が多いが、とにかく言いたいことをぶつけ合い、交流を続けていくことが大事だ」と語る。その通りだと思う。

 学生時代は最も多感で、知識欲に富み、若いときの体験が人間形成に重要な役割を果たす。この時期に隣国の学生同士が忌憚なく腹を割って意見を交換することは、大きな意義があるといえよう。この会議から韓日関係を担う人材も育っている。

 創立メンバーの李基愛さん(日本人と結婚し、川村受映に改名)は、日本で韓国などからの留学生を支援する「りんごの木の会」を創設し、一般家庭と留学生の交流促進に力を尽くし、現在、恵泉女学園大学(東京・多摩市)で韓国語と韓国の文化・歴史を教えている。彼女らの努力によって、少なくとも、韓国に関心を持つ日本人は確実に増えている。

 学生会議の先駆けに1934年発足の日米学生会議がある。宮沢喜一・元首相や八代政基・新生銀行元社長らを生み、日米関係発展に少なからぬ役割を果たした。日韓学生会議が50年、100年と続き、人材輩出の牙城となることを期待する。(G)