日韓親善協会中央会(斎藤十朗会長)が今年で創立30周年を迎えた。1976年に元外務大臣の故椎名悦三郎氏を初代会長に迎え、韓国との草の根交流を全国レベルで展開しようと発足、現在、45都道府県の日韓親善協会が中央会の傘下で活動している。これだけのネットワークを築き、韓国との交流を推進している団体はまれで、韓日の友好親善を支える大きな力になっているといえよう。
中でも広島県日韓親善協会は、広島市と大邱市、呉市と鎮海市、三次市と泗川市が姉妹都市になっていることから、韓国との関係が深く、青少年交流、韓国語講座、韓国語スピーチコンテスト、囲碁交流など、さまざまな事業を展開している。昨年、広島市民球場で韓流スター、パク・ヨンハのファンミーティングが行われた際には、同球場の修復募金活動を展開し、大きな成果を上げた。
栃木県日韓親善協会も、高陽市との小中高生柔道交流を続けているほか、毎年8月6日にソウルで開かれる韓国原爆被害者協会主催の慰霊祭に参加するなど、韓国との交流に力を注いでいる。今年は、韓国から高校生を受け入れ、宇都宮北高校と交流会も行った。同協会の中野俊男・事務局長は、「日韓の間には過去にいろいろな不幸があり、子どものうちから交流を深め、心のわだかまりを解いていくしかない」と語る。
しかしながら、こういった広島や栃木のように活発に活動している協会は少なく、看板だけ掲げ、年に一度の賀詞交換会を開くのがやっとのところも多いと聞く。地方の財界人や民団が主体となって運営している協会も少なくなく、財政事情もあって、せっかくの組織を生かせないところもあるという。
30年といえば、人間にたとえると働き盛り、最も活発に活動できる年齢だ。これを機に新たな協会の活性化に取り組み、今後、40年、50年に向けて韓日交流を積み重ねていってほしいと思う。(G)